日本文化の基底にある縄文文化

現在の日本のかたちの原型
山本七平は「日本人とは何か」で、縄文時代について
次のように述べています。
「約1万年前から8千年程続いた縄文時代に、北は千島
から南は沖縄までに広がった縄文文化圏が現在の日本
である。」

日本文化の基底にあるもの
そして、日本文化の基底にあるのは、その縄文文化
であると指摘しています。

その一例に、日本料理の中には今も縄文時代の食物
の名残が数多くあることを挙げ、次のようなエピソ
ードを紹介しています。

著者が、ある料亭で数人の学者と会合していた時
そのうちの一人が、「縄文時代の食物は、いま我々が
食べているものとあまり変わりがないようです」と
云った。そこで改めてみんなが食べている食卓を見ると
栗・ぎんなん・貝・川魚・沢ガニ・エビなどがあり、みな
思わず笑い出した。(これらの食材は、採集・狩猟・漁撈
をして生活していた縄文人の食材です。)

梅原猛と縄文文化
縄文文化の残滓は、食文化だけではありません。
ここで思い出すのは、以前このブログで取り上げた
梅原猛の「人類哲学序説」です。彼は、ギリシヤ以来
の西洋の哲学や科学文明を超克する思想として、“草
木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)”
という考え方を提唱しました。そしてその考え方は
自然と共生し万物に霊が宿ると考えた縄文人の考え方
に相通ずるものがあることを指摘しました。
なお彼もまた、山本七平同様に「日本の基層文化は縄文
文化である、というのが30年来の私の信念です」と
述べています。

日本人の起源
さて縄文人とはどのような民族だったのでしょうか。
この点について、著者は次のような説をを紹介して
います。
「生物学者の日沼頼夫博士が、ATLウィルスのキャリ
アが、東アジアでは日本人にしかいないこと、中国
・韓国にはいないことを発見、そしてこのウイルスの
キャリアが日本列島の縄文人の生活圏に多いことが
判明した」

日本人の起源については、いまだ定説がありませんが
いずれにしても、南方または北方から渡来し独自に
種を保ってきた縄文人と中国南方または東南アジアから
渡来してきた弥生人(必ずしも数は多くない)とそしてその
混血種が日本人であることは間違いないようです。

日本語の起源は

縄文人がどんな言葉を話していたか、それが分れば、日
本語の起源も解明出来るかもしれません。しかし残念な
がら「縄文語」なるものは、残っていません。山本氏は
日本語の単語にはアイヌ語・韓国語・中国語が入ってい
るが、そのことは日本語の系統を明らかにしてくれる訳
ではないと云ってます。
一方、梅原氏は「アイヌ語は、間違いなく縄文語の時代
とともに変化した言語であると思います。」と述べてい
ます。(「カムイ」(上にいるもの)というアイヌ語が「神」
となったなど)

この梅原氏の説は、言語学者の間に認められているわけ
ではありませんが、なかなか興味ある主張だと思います。

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